シミにはいろいろ種類があり、できる原因にもさまざまなものがあります。シミの種類をきちんと見極められないと、治療方法を間違ってしまい、かえって濃くなってしまうことがあります。
原因によっては、日常生活の改善や、スキンケア等で、予防や改善ができることもあります。
シミの種類を正しく診断するためには、皮膚科専門医のいる医療機関を受診することが重要です。
何種類ものシミが混在するときは、一撃で治療を完了させるのは困難です。安全に様子を見ながら、何種類かの治療方法を順序だてて、あるいは、同時に行っていく必要があります。
大きく分けて以下の7つに分類されます。
1.日光
原因のうちでメインを占めるものです。
日光に長く当たっていると、表皮(皮膚の浅い層)の新陳代謝が悪くなり、メラニンが排出されなくなり、シミができます。
日光はシミを作る以外にも、皮膚癌の原因になります。
また、コラーゲンがダメージを受けるので、お肌の張りがなくなり、しわができたり、毛穴が開いたりします。
さらに、弾性線維というものが変性を起こすので、文字通り、お肌の弾力がなくなり、しわやタルミの原因になります。
上記をまとめると、“老化”するということです。
しかし、日光には、良い面もあります。
皮膚でビタミンD3の前段階物質を作る働きがあります。
その前段階物質が、体の中でビタミンD3に変わり、腸管から吸収されると、カルシウムの吸収を促進し、骨形成を促進します。
また、ビタミンDが体内に多いほど癌にかかりにくいという報告があります。
ですから、1日10分程度、日光を浴びるのが健康にもお肌にもよいとの報告があります。
2.喫煙
どちらかというと、シミよりは、しわの原因になりやすいですが、しわができると、お肌表面の光の反射が乱れ、くすんで見えます。
日光とタバコの両方が絡むと、シミもしわもたくさんできてしまいます。
喫煙される方は、本数を徐々に減らし、最終的には禁煙しましょう。
3.ホルモンバランスの乱れ
肝斑(かんぱん)というシミは、主に30代以降の女性にできる、両頬骨の上に、平坦で色調がほぼ均一の左右対称のシミです。
90%以上の確率で女性にできるしみのため、女性ホルモンが関係しているのではといわれています。
4.刺激
何らかの外からの刺激によりできるシミを炎症後色素沈着といいます。
洗顔を一生懸命しすぎる方や、普段から美白を心がけ、美白化粧品を一生懸命塗りこんでいる方は、要注意です。
炎症後色素沈着の身近な代表例は日焼けです。
太陽光線に刺激を受けたところが赤くなり、その後、茶色くなっていくというものです。
軽い日焼けだと一時的ですが、ひどく焼いてしまうとシミになって残ってしまいます。
5.ストレス
ストレスで、自律神経系・免疫系・ホルモン系に影響があることはよく知られており、お肌の新陳代謝が悪くなり、シミができやすくなります。
6.鉄不足
シミの成分を分解するためのカタラーゼという酵素を作るには鉄が必要です。
通常の健診では貧血と診断されなくても鉄不足の場合があります。
フェリチンという項目を調べれば、体内の貯蔵鉄の量がわかります。
7.活性酸素
ここまで述べた、日光・喫煙・ホルモンの乱れ・刺激・ストレスにより、活性酸素が発生します。
活性酸素は皮膚のあらゆる障害を引き起こすので、当然シミもできやすくなります。
活性酸素をためないように、日ごろから体のコンディションを整え、活性酸素を体の外へ出すよう、抗酸化サプリメントを摂取しましょう。