結節性痒疹

結節性痒疹とは、非常に痒みの強い、径1cm程度にまでおよぶ暗褐色で角化性の硬いドーム状または疣状の結節が四肢伸側を主体に生じる難治性の疾患です。体幹等に広範囲に及ぶ場合もあります。

治療に反応して軽快傾向にあっても一つ一つの皮疹の持続期間は数ヶ月に及ぶと定義されていますが、実際はもっとかかると思われます。

原因の詳細は不明ですが、アトピー性皮膚炎の悪化に伴ったり、虫刺されが長引いても生じることがあります。何らかの全身性疾患や内臓悪性腫瘍から生じる可能性もあります。

治療法

従来の治療法

多くはステロイド外用剤が使われ、抗ヒスタミン剤の内服薬が併用されます。
あるいは、紫外線照射療法や液体窒素療法等を更に併用することがありました。
他にマクロライド系抗生物質や漢方薬等も使用されることがあります。

しかし、日本皮膚科学会の痒疹治療ガイドラインで最も推奨されているステロイド外用剤も推奨度B(行うよう勧められる)であり、それ以外は抗ヒスタミン剤内服薬ですらC1(行うことを考慮してもよいが,十分な根拠がない)です。
従来の方法では治療に難渋する所以です。

従来の治療法ではうまくいかない時の治療法

難治性のアトピー性皮膚炎の治療に用いられていたデュピクセントが結節性痒疹にも使えるようになりました。
15歳以上の方から使用可能です。
従来の治療(標準治療)を受けていないとデュピクセントによる治療はできません。

結節性痒疹では、体内の様々な物質により強い痒みが引き起こされ、引っかくのを繰り返すことにより結節性の皮疹を生じるのですが、特に痒みを引き起こすとされるIL-4やIL-13という物質の働きを直接抑えることで症状の改善をもたらすと考えられています。
詳細は、デュピクセント.jpの結節性痒疹のページをご参照ください。

デュピクセント 300mg
デュピクセント 200mg

その他の治療

  1. まつ毛育毛剤

    緑内障治療用点眼剤を使うと、まつ毛が伸びるという副作用が発見されたのをきっかけに開発されたのが、FDA(米国の厚労省に当たる…

  2. 頚部に多発するイボ
    (アクロコルドン、スキンタッグ)

    頚部に多発するイボは、アクロコルドンやスキンタッグと呼ばれ、ほとんどは軟性線維種と呼ばれる良性腫瘍ですが、一部に脂漏性角化症…

  3. イボについて

    イボは俗称で、本来は“尋常性疣贅(ゆうぜい)”という病名で、ウイルス感染症です。 老若男女問わず、体のあらゆ…

  4. 伝染性軟属腫(水イボ)

    水イボとは、ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスが表皮角化細胞に感染して生じるもので、感染者皮膚から直接感染するだ…

  5. 金属アレルギー

    金属パッチテストについて 皮膚科の治りにくい疾患の中には、金属アレルギー…

  6. 結節性痒疹

    結節性痒疹とは、非常に痒みの強い、径1cm程度にまでおよぶ暗褐色で角化性の硬いドーム状または疣状の結節が四肢伸側を主体に生じ…

  7. 特発性の慢性蕁麻疹

    蕁麻疹とは、膨疹という蚊に刺された様な赤いふくらみが病的に出没を繰り返す疾患で、多くの場合は痒みを伴います。 繰り返し症状が出現…

  8. 局所的白斑・乾癬・難治性アトピー

    外用剤による治療に抵抗性を示す皮膚疾患の中には、医学的な紫外線を照射して治療するものがあります。 エキシマライトとは、治療に特に…

  9. 高齢者の足の爪切り

    分厚すぎる爪、あるいは、変形の強い爪で、視力や握力の低下があり、自分で爪を切ることのできない高…

  10. 体臭(デリケートゾーンを含む)について

    脇や足、デリケートゾーン等の体の臭いは汗や皮脂を常在菌が分解して発生します。 通常、常在菌は善玉菌、悪玉…

  11. 20分で結果がわかるアレルギー検査
    (イムノキャップラピッドアレルゲン8)

    むやスキンクリニックでは、8項目ではありますが、20分後に結果が出るアレルギー検査ができるようになりました。

求人情報 むやスキンクリニック |千里中央でニキビ・アトピー・シミ治療の皮膚科なら