一般的に、ホクロと呼んでいるもののほとんどは、色素性母斑(別名:母斑細胞性母斑)のことをいいます。
母斑細胞というものが増殖してできているホクロのことで、母斑細胞には、メラニンを産生する能力があります。
隆起してなくて、面積が小さくて、色の薄いものは、シミやそばかすと間違われることがあります。
シミを取るためのレーザーを照射したのに、すぐに再発してくるものの中には、ホクロが混じっているのかもしれません。
色素性母斑には、先天性(生まれたときからあるもの)と後天性(生まれたときはないが、いつからか出現したもの)があります。
先天性のものは、大きいものほど癌化の恐れがあると言われており、基本的には切除したほうがよいです。
通常のホクロより、黒さが濃く、青みを帯びているものがあります。
青色母斑といいます。
メラニンが深いところに集中しているため、光の反射の関係で青みがかってみえます。
レーザーでは深部を取り残すので、切除したほうがよいホクロです。
ホクロの悪性化(癌化)について
以前より、ホクロを取り残したり、レーザー照射で刺激すると悪性化(癌化)してくるという説があります。
今では非常にマイナーな説とされながら、支持している皮膚科医はいます。
問題点は、レーザーは、取り残しの有無を確認できないということです。
では、現段階での、メジャーな見解とは、先天性の大きなホクロ(直径6mm以上)を除き、後天性(生まれてしばらくしてから)のホクロは、長年何事もなく経過しているのであれば、悪性化する可能性はほとんどないとされています。
逆に、どんなに小さいホクロに見えていても、後に癌化したものは、実は最初から悪性のもの(悪性黒色腫)であったといわれています。
つまり、良性のホクロであれば、レーザー光線等で刺激を加えても、悪性化する可能性は、基本的にないはずだとされています。
さらに、ホクロの取り残しがあっても、取った分が良性であれば、取り残しの分も良性なので、問題はないとされています。
しかし、取った分が良性であるかは、組織検査をしないと断言できません。
「組織検査できちんと良性であることを確認すれば、たとえ取り残していても再発するだけで、その他の問題はない。」ということです。
問題点は、組織検査をすると、お肌に傷跡が残ります。
現実には、組織検査は希望されず傷跡のほとんどない形でホクロを取りたい方が多いので、「長期間何事もなく、専門医が診察して、現段階で悪性の可能性は極めて低い」と判断されたものは、レーザー照射でホクロを取られています。
結論としては、ホクロにレーザーを照射したり、その結果として、取り残しがある場合に、非常にマイナーとはいえ、「取り残し部分から癌化する恐れがある」という見解があるということを、しっかりと認識していただきたいのです。
そのうえでレーザー照射を希望される場合は、再発覚悟で、傷跡をきれいになるよう取ってもらいましょう。
マイナーな見解が気になるなら、レーザーではなく、切除・縫合か、くり抜き法を選びましょう。