金属パッチテストについて
皮膚科の治りにくい疾患の中には、金属アレルギーが原因のことがあります。
(代表例)掌蹠膿庖症・汗庖状湿疹・扁平苔癬・貨幣状湿疹・多形慢性痒疹
金属アレルギーだけが原因といっているわけではありません。
ピアス、腕時計、指輪をつけていたところにできる湿疹だと、直接皮膚に金属が触れるので、金属アレルギーがイメージしやすいのですが、日常品でとても金属と思えないもの(化粧品・写真・ゴム等)にも結構金属が含まれています。
食べ物(豆類・木の実・チョコレート等)にも金属は含まれているのです。
なので、ご自身では、何も思い当たらないのですが、「実は金属が原因だった!!」ってことがあるのです。
その犯人である金属を調べるのが、金属パッチテストです。
金属パッチテストは保険適用です。
検査日と判定日(予約制)
テストの日は、水曜日か土曜日です。それぞれの48時間後と72時間後に判定します。
汗による刺激を避けるため、4月~9月は検査できません。
妊娠中・授乳中の方は受けられません。
手順
- テスト前に医師の診察を受け、原因金属と推測される試薬の貼る部位を決定します。
- 貼る部位が決定したら試薬を貼ります。基本的には、背部か上腕内側に貼ります。
- 48時間後(2日後)と72時間後(3日後)に医師が結果を判定します。状態によっては1週間後にも判定が必要になることがあります。
注意事項
- 試薬を貼り判定日までにかゆみや痛みを生じたときは、はがして、診療時間内にすぐに受診してください。
- 48時間後判定までは入浴できません。汗をかくことをしないでください。
- 48時間後判定時に付けた印を72時間後判定時まで消さないようにしてください。
- 検査を行うことで、感作する(試薬をアレルギーの原因物質をして体が覚えてしまう)ことがあります。
- 検査することで、湿疹病変が再燃・増悪することがあります。
- 試薬貼付部位に水疱・膿庖・感染等を起こすことがあります。
- テスト後に色素沈着や色素脱失をきたすことがあります。
- 結果が陰性でも、皮膚疾患の原因であることがあります(疑陰性)。反対に陽性でも実際の皮膚に影響がないことがあります(疑陽性)。
- 裁判(訴訟)・賠償のためのパッチテストは行いません。
塗り薬を塗っても効かない、あるいは、塗ったときは治るが中止で再発するなんてことを繰り返している方や、手のひら、足の裏の膿庖や小水疱がよくできる方は、一度、金属パッチテストを受けてみましょう。